名前
/usr/share/snmp/snmpd.conf - ucd-snmp SNMP
エージェントの設定ファイル
説明
snmpd.conf は ucd-smnp SNMP
エージェントの操作法を定義する設定ファイルである。
このファイルは下記の「ディレクティブ」セクションにある
任意のディレクティブを含むことができる。
エージェントが mib
エントリを操作したり表示したりするためには、
このファイルは必要ない。
最初にお読みください
最初に man ページ
snmp_config(5)
を読んでおくこと。
ここには ucd-snmp
ファイルの操作法・場所・
互いにどのように動作するかが書かれている。
さらに、 snmpconf
アプリケーション (perl
スクリプト)
にざっと目を通すのもよいかもしれない。
このアプリケーションはユーザーに情報を提示して
snmpd.conf
ファイルの作成を助けてくれる。
試してみなさい。本当に。さあ、今すぐに。
で始められます。
拡張可能 MIB
ucd-snmp SNMP
エージェントは、 mib
ツリーの 1.3.6.1.4.1.2021
セクションに対してクェリーを行い、
多くの情報を表示する。
このセクションの各 mib
には以下のテーブルエントリがある。
- .1 -- index
- 以下にリストされた「ディレクティブ」に対するテーブルのインデックス番号。
- .2 -- name
- 指定されたテーブルエントリの名前。
これは他と重ならない方が良いが、重なっても構わない。
- .100 -- errorFlag
- このテーブルエントリにエラーが見つかった場合に、
整数 1 または 0
を返すフラグ。
- .101 -- errorMsg
- 上記の errorFlag
を引き起こすエラーを説明する「表示文字列」。
- .102 -- errorFix
- このエントリが SNMPset
から整数 1 で、
かつ上で定義されている
errorFlag が 1 の場合、
上記のテーブルエントリ名を引き数として
プログラムやスクリプトが実行される。
実行されるプログラムはコンパイル時に
config.h
ファイルで設定される。
ディレクティブ
- proc NAME
- proc NAME MAX
- proc NAME MAX MIN
- NAME
という名前のプロセスが
エージェントのマシンで稼働しているかをチェックする。
NAME
という名前のプログラムが
"/bin/ps -e"
で表示されるプロセステーブルにない場合、
エラーフラグ (1)
と説明のメッセージが
mib コラムの 1.3.6.1.4.1.2021.2.1.100 と
1.3.6.1.4.1.2021.2.1.101 に (それぞれ)
渡される。
- MAX と MIN
が指定されない場合、MAX
は infinity (無限大) で MIN は
1
であると仮定される。
- MAX
は指定されているが、MIN
は指定されていない場合、
MIN は 0
であると仮定される。
- procfix NAME PROG
ARGS
- このディレクティブは、NAME
で指定されたプロセスで発生したエラーを
修正するためのコマンドを登録する。
NAME
で指定されたプログラムに対して
1.3.6.1.4.1.2021.2.1.102 が 整数値 1
に設定された場合、このコマンドが呼び出される。
呼び出されるプログラムのデフォルトは、コンパイル時の値であり、
config.h ファイルの PROCFIXCMD
で定義される。
- exec NAME PROG ARGS
- exec MIBNUM NAME PROG
ARGS
- MIBNUM
が指定されない場合、
エージェントは PROG
という名前のプログラムを引き数
ARGS を付けて実行し、
プログラム PROG
の終了ステータスと標準出力の
1 行目を返す。
これらはそれぞれ mib
コラムの 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.100 と
1.3.6.1.4.1.2021.8.1.101
の値をクェリーしたものである。
標準出力の 1
行目以降は暗黙の内に省略される。
- MIBNUM
が指定された場合も、上と同じように動作するが、
終了ステータスを
MIBNUM.100.0 に返し、
標準出力全体を mib
テーブル内のテーブル
MIBNUM.101 に返す。
このとき MIBNUM.101 mib
には標準出力への出力全体が入り、
1 つの mib
テーブルエントリには出力の
1 行分が入る
(つまり、出力の第 1
行は MIBNUM.101.1、 第 2 行は
MIBNUM.101.2、... となる)。
- 注意:
- MIBNUM
はドット区切りの整数値表記でなければならない。
(.1.3.6.1... の代わりに)
".iso.org.dod.internet..." のように
指定することはできない。
- 注意:
- エージェントは最初のクェリーを行った後、
実行したプログラムの終了ステータスと標準出力を
30
秒間キャッシュする。
これによりその後のテーブルのクェリーのスピードが上がり、
情報の一貫性が管理できる。
このキャッシュは
1.3.6.1.4.1.2021.100.VERCLEARCACHE を 整数 (1)
に設定する snmp-set
要求により消去される。
- execfix NAME PROG
ARGS
- このディレクティブは
NAME で指定された
実行プログラムまたはシェルスクリプトで発生した
エラーを修正するためのコマンドを登録する。
NAME
で指定したエントリに対して
1.3.6.1.4.1.2021.8.1.102 が整数値 1
に設定されると、
このコマンドが呼び出される。
呼び出されるプログラムのデフォルトは、コンパイル時の値であり、
config.h ファイルの EXECFIXCMD
で定義される。
- disk PATH
- disk PATH [ MINSPACE |
MINPERCENT% ]
- PATH
にマウントされたディスクの使用可能なディスク容量をチェックする。
ディスク容量が MINSPACE (kB)
より少ない場合、
または %
記号を指定して MINPERCENT (%)
より少ない場合、
または DEFDISKMINIMUMSPACE (kB)
が指定されていない場合、
1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100 mib
テーブルの関連するエントリが
(1) に設定され、
エラーを説明するメッセージが
1.3.6.1.4.1.2021.9.1.101
のクェリーによって返される。
- load MAX1
- load MAX1 MAX5
- load MAX1 MAX5
MAX15
- マシンの平均負荷をチェックし、
1 分間・5 分間・15
分間の平均がそれぞれの最大値を超えている場合は、
1.3.6.1.4.1.2021.10.1.100 と 1.3.6.1.4.1.2021.10.1.101
をクェリーして、
エラーフラグ (1)
とテキスト文字列のエラーメッセージを返す。
MAX1, MAX5, MAX15
の値のうち指定されていないものは、
デフォルトの DEFMAXLOADAVE
になる。
- file FILE [MAXSIZE]
- ファイルサイズを監視し、(キロバイトで)
指定されたサイズを
超えてないかをチェックする。
MAXSIZE
が指定されていない場合のデフォルトは無限大になり、
エラーを報告せずにサイズのみを監視する。
エラー
上記の情報を取得するためのエラーは、
1.3.6.1.4.1.2021.101.1.100 フラグと
1.3.6.1.4.1.2021.101.1.101
テキスト文字列をクェリーして表示される。
snmp
マスターエージェントで
AgentX
サポートを有効にするためには、
snmpd.conf
ファイルに以下のような行を書き込めばよい:
- master agentx
- このサポートはまだ実験的なもので、製品版のシステムでは使用すべきではない。
詳細は README.agentx
を参照すること。
gated のような SMUX
ベースのサブエージェントを有効にするためには、
以下のように smuxpeer
設定エントリを使えばよい:
- smuxpeer OID
PASS
- gated
についての実際のエントリは
smuxpeer .1.3.6.1.4.1.4.1.3 secret
のようになる。
動的読み込み可能モジュール
エージェントが
UCD-DLMOD-MIB
のサポートを組み込んでいる場合、
エージェント MIB
モジュールを
起動時に dlmod
ディレクティブを使って動的にロードしたり、
実行中に UCD-DLMOD-MIB
を使って動的にロードすることができる。
以下のディレクティブは、モジュール名プレフィックスが
NAME である
共有オブジェクトモジュールファイル
PATH をロードする。
- dlmod NAME PATH
アクセス制御
snmpd は RFC 2275
で規定されている View-Based
Access Control Model (vacm)
をサポートしている。
このため、snmpd
は設定ファイルにある
com2sec, group, access, view
というキーワードを認識する。
また簡単に使用するためのラッパーディレクティブ
rocommunity, rwcommunity, rouser, rwuser
も認識する。
- これらディレクティブは読み込みしかできないコミュニティと
読み書きできるコミュニティを作成し、
エージェントにアクセスするために使用する。
これらは以下の com2sec,
group, access, view
ディレクティブ行を簡単に使うための方法である。
これらは効率的ではなく、グループが作成されないために
テーブルが幾分大きくなる。
言い換えれば、複雑な状態を設定する場合には使用してはならない、
ということである。
- SOURCE
のフォーマットは、以下の
com2sec
ディレクティブセクションで
説明されているトークンと同じである。
OID
トークンは、コミュニティのアクセスを、
指定された OID
以下のものだけに制限する。
- rouser USER
[noauth|auth|priv] [OID]
- rwuser USER
[noauth|auth|priv] [OID]
- SNMPv3 USM ユーザーを VACM
アクセス設定テーブルに作成する。
これもまた、com2sec,
group, access, view
ディレクティブを組み合わせて使用した方が効率的
(かつ強力) である。
- ユーザーが使用しなければならない認証とプライバシーの最低レベルを
最初のトークンで指定する
(デフォルトは "auth"
である)。 OID
パラメータは、そのユーザーのアクセスを、
指定された OID
以下のものだけに制限する。
- com2sec NAME SOURCE
COMMUNITY
- このディレクティブはソース
(SOURCE) とコミュニティ
(COMMUNITY) のペアから
セキュリティ名 (NAME)
へのマッピングを指定する。
SOURCE
はホスト名・サブネット・"default"
である。
サブネットは IP/MASK
または IP/BITS
で指定できる。
入ってくるパケットにマッチするソースとコミュニティの組み合わせが選択される。
- group NAME MODEL
SECURITY
- このディレクティブはセキュリティモデル
(MODEL) と セキュリティ名
(SECURITY) のペアから
グループ名 (NAME)
へのマッピングを定義する。
MODEL は v1, v2c, usm
のいずれか 1
つである。
- access NAME CONTEXT MODEL
LEVEL PREFX READ WRITE NOTIFY
- access
ディレクティブはグループセキュリティと
モデルセキュリティのレベルを、あるビュー
(view) にマップする。 MODEL
は any, v1, v2c, usm
のいずれか 1
つである。 LEVEL は noauth,
auth, priv のいずれか 1
つである。 PREFX
は入ってくる pdu
の内容に対する CONTEXT
のマッチの方法を指定するもので、
exact または prefix
である。 READ, WRITE, NOTIFY
はビューに対応するアクセス方法を指定するのに使われる。
v1 または v2c
のアクセスでは、LEVEL
は noauth、 CONTEXT
は空文字列である。
- view NAME TYPE SUBTREE
[MASK]
- このディレクティブは指定した名前のビュー
(view) を定義する。 TYPE は
included または excluded
である。 MASK は 16
進数で表した 8
ビットを '.' または ':'
で区切ってリストにしたものである。
MASK
が指定されていない場合のデフォルトは
"ff" である。
- マスクを使用する理由は、比較的簡単に
テーブルの 1 つの行 (row)
へのアクセスを制御することにある。
例えば、ISP
ではそれぞれの顧客に対して
顧客ごとのインタフェースにアクセスさせたいと考えるかもしれない:
-
view cust1 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 ff.a0
view cust2 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.2 ff.a0
-
(interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 == .1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.1 で
ff.a0 == 11111111.10100000 である。
これは行インデックスをうまい具合いにカバーして含んでいるが、
行フィールドの変更をユーザーに許可している。)
- VACM
の例:
-
# sec.name source community
com2sec local localhost private
com2sec mynet 10.10.10.0/24 public
com2sec public default public
# sec.model sec.name
group mygroup v1 mynet
group mygroup v2c mynet
group mygroup usm mynet
group local v1 local
group local v2c local
group local usm local
group public v1 public
group public v2c public
group public usm public
# incl/excl subtree mask
view all included .1 80
view system included system fe
view mib2 included .iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2 fc
# context sec.model sec.level prefix read write notify
access mygroup "" any noauth exact mib2 none none
access public "" any noauth exact system none none
access local "" any noauth exact all all all
- デフォルトの VACM
モデル
-
最初の状態でのエージェントのデフォルトの設定は、
機能的には以下のエントリと等価である:
com2sec public default public
group public v1 public
group public v2c public
group public usm public
view all included .1
access public "" any noauth exact all none none
- engineID
STRING
- snmpd エージェントが SNMPv3
メッセージに応答するためには
engineID
を設定する必要がある。
設定ファイルにこの行があれば、STRING
から engineID を設定する。
engineID
のデフォルト値は、マシンのホスト名に対して見つかる
最初の IP
アドレスに設定される。
- createUser
username (MD5|SHA) authpassphrase [DES] [privpassphrase]
- このディレクティブは、他の場所にある通常の設定ファイルではなく、
"/var/ucd-snmp"/snmpd.conf
ファイルに書くべきである。
その理由は、情報がこのファイルから読み込まれた後、
この行が削除され
(ユーザーのマスターパスワードの格納場所から消去されて)、
この行から得られるキーに置き換えられるためである。
このキーはローカルなキーであり、
盗まれたとしても他のエージェントにアクセスするのには使えない。
しかしパスワードが盗まれた場合は、他のエージェントにアクセスできる。
- MD5 と SHA
は使用される認証タイプであるが、
SHA
を使用するためにはインストールされている
openssl を使って
パッケージを作成しなければならない。
現在のところプライバシープロトコルがサポートされているのは
DES のみである。
プライバシーパスフレーズが指定されていない場合、
認証パスフレーズと同じであると仮定される。
上で説明した VACM
アクセス制御テーブルに入れなければ、
作成したユーザーの使い道がない点に注意すること。
- 警告:
パスフレーズは少なくとも
8 文字である。
- snmpusm
コマンドを用いれば、実行中に
SNMPv3
ユーザーを作成することができる。
システム情報の設定
- syslocation
STRING
- syscontact
STRING
- sysname STRING
- エージェントが置かれているシステムの場所
(location)・ 連絡先
(contact)・名前 (name)
を設定する。
この情報は mibII
ツリーの 'system'
グループに設定される。
通常、これらのオブジェクト
(sysLocation.0, sysContact.0 and sysName.0) は
読み書き可能である。
ただし、これらのオブジェクトの値に適切なトークンを付加して指定すれば、
そのオブジェクトを読み込みのみにすることができ、
オブジェクトの値を設定しようとしたときに
notWritable
エラーレスポンスを返すようにできる。
- sysservices
NUMBER
- system.sysServices.0
オブジェクトの値を設定する。
ホストの場合は、72
がよい。
- agentaddress
[(udp|tcp):]port[@address][,...]
- デフォルトの 161
番ポートではなく、
指定したソケットのリストでエージェントのリストを作成する。
複数のポートをコンマで区切って指定できる。
トランスポート名
("udp" または
"tcp")・コロン・ポート名のようにして、
トランスポート名を指定できる。
特定のインタフェースにバインドするために、
アドレスを指定することができる。
例えば agentaddress 161,tcp:161,9161@localhost
のように指定すれば、エージェントに対して、
全てのアドレスの udp
ポート
161・全てのアドレスの
tcp ポート 161・ localhost
のアドレスに関連づけられた
インタフェースの udp
ポート 9161 を監視 (listen)
させることができる。
-T
フラグを用いれば、
使用するデフォルトのトランスポートマッピングを変更することができる
(上記の例では、デフォルトのトランスポートマッピングは
udp である)。
- agentgroup
groupid
- ポートをオープンした後で、グループ
ID
を指定した値に変更する。
groupid
はグループ名またはグループ番号である。
グループ番号の場合は
'#' で始める。 例えば
agentgroup snmp
の場合は、エージェントを
snmp
グループで動作させる。
agentgroup #10
の場合は、エージェントをグループ
ID 10
番で動作させる。
- agentuser
uid
- ポートをオープンした後で、ユーザー
ID
を指定した値に変更する。
userid
はユーザー名またはユーザー番号である。
ユーザー番号の場合は
'#' で始める。 例えば
agentuser snmp
の場合は、エージェントをユーザー
snmp で動作させる。 agentuser
#10
の場合は、エージェントをユーザー
ID 10
番で動作させる。
- interface NAME TYPE
SPEED
- エージェントがタイプやスピードの推測に失敗したインタフェースに対して、
このディレクティブで追加の情報を提供することができる。
TYPE は IANAifType-MIB
で指定されるタイプである。
- ignoredisk
STRING
- 使用可能なディスクデバイスをスキャンする場合、
エージェントは使用可能なディスクデバイスをオープンするときに
ブロックを行うことがある。
これによってデバイスツリーを辿っているときにタイムアウトが起るかもしれない。
次に辿ったときにタイムアウトになるかもしれないし、
毎回タイムアウトになるかもしれない。
- このような現象が起った場合は、このディレクティブを追加し、
チェックしない
(つまりオープンしない)
全てのデバイスを指定する。
設定ファイルにこのディレクティブを
1 つ以上の指定して、
オープンしない全てのデバイスを書き込む。
bourne
シェルの文法の似たワイルドカードを使って、
デバイスを指定することもできる
(下記の例を参照すること)。
- 注意:
全てのシステムでスキャンされるデバイスのリストは、
ソース (host/hr_disk.c) を見て、
OS タイプに対応した
Add_HR_Disk_entry()
コールをチェックすること。
- 例:
- ignoredisk /dev/rdsk/c0t2d0
- このディレクティブは、
デバイス /dev/rdsk/c0t2d0
をスキャンさせないようにする。
- ignoredisk /dev/rdsk/c0t[!6]d0
- このディレクティブは
/dev/rdsk/c0t6d0 を除く /dev/rdsk/c0tXd0 の
全てのデバイスをスキャンさせないようにする。
多くのシステムで同様なディレクティブとしては以下のものがある:
- ignoredisk /dev/rdsk/c0t[0-57-9a-f]d0
- ignoredisk /dev/rdsk/c1*
- このディレクティブは、/dev/rdsk/c1
で始まる名前のデバイスを
全てスキャンさせないようにする。
- ignoredisk /dev/rdsk/c?t0d0
- このディレクティブは、デバイス
/dev/rdsk/cXt0d0 ('X' は任意の文字)
を
全てスキャンさせないようにする。
- どのディレクティブにおいても、
このようなワイルドカード表現を
2
つ以上使うことできる。
- authtrapenable
NUMBER
- authtrapenable を 1
に設定すると、
認証の失敗が起った場合にトラップを生成する。
デフォルトの値は
disabled(2) である。
通常これに対応するオブジェクト
(snmpEnableAuthenTraps.0)
は読み書き可能であるが、
このトークンを使って値を設定すると読み込みだけになり、
オブジェクトの値を設定しようとした場合には
notWritable
エラーレスポンスを返す。
- このコマンドはトラップを送るときに使う
デフォルトのコミュニティ文字列を定義する。
このコマンドはコミュニティ文字列を使う以下の
3 つのコマンドより
前に使用しなければならない点に注意すること。
- trapsink HOST
[COMMUNITY [PORT]]
- trap2sink HOST
[COMMUNITY [PORT]]
- informsink HOST
[COMMUNITY [PORT]]
- これらのコマンドはトラップを受信する
(通知を送る先の)
ホストを定義する。
このデーモンは起動時に
Cold Start
トラップを送る。
有効になっている場合は、認証が失敗したときにもトラップを送る。
trapsink, trap2sink, informsink
行を複数指定すれば、
複数の送信先を指定することができる。
trap2sink は SNMPv2
トラップを送るのに使う。
informsink
は通知を発行するのに使う。
COMMUNITY
が指定されていない場合、
以前に trapcommunity
ディレクティブで指定した文字列が使われる。
PORT
が指定されていない場合、
良く知られている SNMP
トラップポート (162)
が使われる。
- trapsess
[SNMPCMD_ARGS] HOST [COMMUNITY]
- これはより基本的なトラップ設定トークンで、
任意のトラップ送信先タイプと任意の
SNMP
バージョンを指定できる。
SNMPCMD ARGS
として渡される引き数のより詳しい情報は、
snmpcmd(1) の man
ページを参照すること。
ここで挙げた引き数に加えて、特別な引き数
-Ci があり、 unacknowledged
トラップではなく通知を使用することを指定する。
(この引き数を指定するには、
バージョン番号 v2c
または v3
を指定する必要がある)。
プロキシのサポート
- proxy [SNMPCMD ARGS] HOST
OID [REMOTEOID]
- 警告:
この機能はサポートはβ版である。
- このトークンは受信した
OID
以下の任意のリクエストを
HOST に中継して渡す。
通常はローカルの OID
ツリーを新しい REMOTEOID
という場所に変更する。
HOST
で認証されるためには、適切な
SNMPCMD ARGS
のセットを使わなければならない。
詳細は snmpcmd の man
ページを参照すること。
- 例:
- proxy -v 1 -c public remotehost .1.3.6.1.4.1.2021
- proxy -v 3 -l noAuthNoPriv -u user remotehost .1.3.6.1.3.10
.1.3.6.1.2.1.1
パススルー制御
- pass MIBOID EXEC
- MIBOID の全制御を EXEC
プログラムに渡す。
EXEC
プログラムは以下の 3
つのうちの 1
つの方法で呼び出す:
- EXEC -g MIBOID
- EXEC -n MIBOID
- これらの呼び出しは
SNMP get と getnext
リクエストにマッチする。
EXEC
プログラムは渡された引き数を受け取り、
レスポンスを標準出力に返すと仮定されている。
- 標準出力の 1
行目は返り値の mib OID
である。 2
行目は返される値の
TYPE である。 TYPE
はテキスト文字列
string, integer, unsigned, objectid,
timeticks, ipaddress, counter, gauge
のうちの 1
つである。
標準出力の 3
行目は返された TYPE
に対応する VALUE
である。
- 例えば .1.3.6.1.4.100
へリクエストが送られたときに
スクリプトが整数値
"42" を返す場合、
スクリプトは以下の 3
行を返さなければならない:
.1.3.6.1.4.100
integer
42
- end-of-mib
条件や不正なリクエスが原因で、
スクリプトが応答できないことを表すには、
単純に exit
して標準出力に何も返さなければよい。
SNMP NO-SUCH-NAME
レスポンスに対応する
snmp
エラーが生成される。
- EXEC -s MIBOID TYPE
VALUE
- SNMP set
リクエストを送るには、上の方法を用いる。
EXEC
プログラムに渡される
TYPE
は、テキスト文字列
integer, counter, gauge, timeticks,
ipaddress, objid, string
のうちの 1
つである。
これらは次の引き数で渡される
VALUE
のタイプを表す。
- 標準出力に何も返さなかった場合は、set
が成功したものと仮定する。
それ以外の場合としては、エラーを示すために
not-writable または wrong-type
のいずれかの文字列を返すことがあり、
適当なエラーレスポンスが生成される。
- 注意:
- デフォルトでは、ユーザーのスクリプトで
write (つまり snmpset)
が許可されるコミュニティは、
"private"
コミュニティと
上で説明した "community"
トークンで別に定義した
コミュニティ #2
のみである。
どのコミュニティに書き込みアクセスを許可するかは、
ソースファイル
snmplib/snmp_impl.h の RWRITE
定義で制御できる。
- (snmpd.conf における) 例:
- pass .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/passtest
- pass_persist
MIBOID EXEC
- MIBOID の全ての制御を EXEC
プログラムに渡す。
pass と似ているが、EXEC
プログラムは
最初のリクエストに返答した後も稼働し続ける。
- 初期化の際には、EXEC
に対して標準入力から文字列
"PING\n" が渡され、
標準出力に "PONG\n"
を表示して返答する。
- get または getnext
リクエストを送るには、
EXEC
プログラムにコマンド
(get または getnext) と mib OID
という 2 行を渡す。 EXEC
プログラムは、mib
OID・返される VALUE の TYPE・
返された TYPE
に対応する VALUE という 3
行を返す。
- 例えば、.1.3.6.1.4.100
の値をリクエストする場合は、
標準入力に以下の 2
行を渡す。
get
.1.3.6.1.4.100
- 値、つまり 42
を返すために、スクリプトは以下のような書き出しを行う:
.1.3.6.1.4.100
integer
42
- end-of-mib
条件または不正なリクエストが原因で、
スクリプトがリクエストに応答できないことを表すには、
標準出力に "NONE\n"
を書き出す。
- (snmpd.conf における) 例:
- pass_persist .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/pass_persisttest
例
上記の情報が実際の例でどのように使われているかについては、
ソースのトップディレクトリにある
EXAMPLE.CONF
ファイルを参照すること。
ucd-snmp
エージェントは設定ファイルを再読み込みさせることが可能である。
以下の 2 つのうちの 1
つを実行すればよい:
- 1.
- snmpset で UCD-SNMP-MIB::versionUpdateConfig.0
(.1.3.6.1.4.1.2021.100.11.0) を整数 (1)
に設定する。
- 2.
- snmpd
エージェントプロセスに
"kill -HUP"
シグナルを送る。
ファイル
/usr/share/snmp/snmpd.conf
関連項目
snmpconf(1), snmp.conf(5), snmp_config(5), snmpd(1), EXAMPLE.conf,
read_config(3).