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xzdec, lzmadec - .xz および .lzma の伸長を行う簡易版
xzdec [option...] [file...]
lzmadec [option...] [file...]
xzdec は .xz に対しての (そして .xz のみの) 伸長処理を行うだけの liblzma ベースのツールです。xzdec は xz(1) のドロップインとしての置き換えが意識されています。つまり xz --decompress --stdout という形で (そしておそらくはよく使われる他のオプションをともなって) .xz ファイルの伸長を行うスクリプト内において利用するといった場面です。lzmadec は xzdec と同等であり、ただしサポートするファイルが .xz ではなく .lzma になります。
実行モジュールサイズを小さく抑えていることから、xzdec はマルチスレッドやローカライゼーションをサポートしていません。また環境変数 XZ_DEFAULTS や XZ_OPT からのオプション読み込みも行いません。xzdec は処理途中の進行情報も表示しません。つまり xzdec に対して SIGINFO を送信しても何も起きません。ただし SIGUSR1 を送信すると、進行情報が表示されるわけではなく、プロセスが停止します。
xzdec には xz(1) にあるような警告メッセージはありません。したがって終了ステータス 2 は xzdec では利用されません。
普段利用するには xzdec や lzmadec ではなく xz(1) としてください。xzdec や lzmadec は、xz(1) の機能をフル活用するような場面ではなく、よりコンパクトに伸長処理だけが必要となる場面での利用が想定されています。
xzdec と lzmadec は、そう言うほどにコンパクトではありません。コンパイル時に liblzma の機能を削れば、さらにサイズを小さくすることができます。ただしオペレーティングシステムが配布する、通常の非埋め込みタイプの実行モジュールにおいては、サイズ縮小を行うことは好ましくありません。本当にコンパクトな .xz 伸長処理が必要であれば、埋め込み XZ (XZ Embedded) の利用を検討してください。
xz(1)
埋め込み XZ: <https://tukaani.org/xz/embedded.html>
2017-04-19 | Tukaani |